【固定資産の管理に問題がある】
医療法人・社会医療法人の課題の1つとして、固定資産の管理が挙げられます。
具体的には
①固定資産の現物確認が行われていない。
②固定資産の廃棄の連絡が経理課に来ない。
上記の問題があるために、
廃棄済みの固定資産が経理課の固定資産台帳に載っているという状況が考えられます。
会計・監査上、正しい固定資産を認識し計上することは必須です。
また、固定資産は現金と同様に会社の資産であるため、適切に管理することにより会社の実態を経営陣が正確に把握する必要があります。
では、どうすればいいでしょうか。
【固定資産の管理の改善】
①固定資産の現物確認を行う(年1回)
上場企業では当たり前ですが、医療法人(社会医療法人)では固定資産の現物確認を行っていない(いなかった)法人が非常に多いと思う。
固定資産税(償却資産)の申告があるために現物確認を行っていても、確認が不十分な場合もあると認識しています。
各部署の責任者等に責任をもって1件1件固定資産の現物を確認してもらう必要がある。
②経理課に廃棄の連絡が来る仕組みを作る
各部署が固定資産を廃棄する都度、経理課に連絡が来る仕組みを構築する必要がある。
法人によっては、用度課(資財課)やME課が管理している台帳と経理課の固定資産台帳の紐づけができておらず、仮に用度課等から廃棄の連絡が経理課に来ても、経理課の台帳のどれを廃棄処理すればいいかわからない場合がある。
その場合、現場(用度課等)の台帳と経理課の台帳の紐づけを行う等の対応を行う必要がある。
いづれにしても、定期的に廃棄の連絡が経理課に来る仕組みを構築することにより、適時適切に会計上で固定資産の廃棄処理を行うことが必要です。
上記①、②は会計・監査上において重要なことですが、医療法人・社会医療法人によっては、対応が困難な場合も想定されます。
その場合、いきなり走ることが難しければ、まず歩くことから始めましょう。
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