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中村哲也

棚卸資産の管理

更新日:2020年2月13日

医療法人・社会医療法人の課題の1つとして、棚卸資産の管理が挙げられる。

(棚卸資産管理は、医療法人・社会医療法人に限らず、社会福祉法人・個人病院・クリニックなどでも重要である。)


棚卸資産の管理をシステムで行っていない場合、不正や誤りのリスク等が高まるので望ましくない(後述)。


一定規模以上の法人の場合は、棚卸資産(医療材料)の管理にSPDシステムを使用しているケースが多いが、課題も散見される。

SPDシステムは大きく分けると院外SPDと院内SPDの2種類あり、院内SPDの場合に管理面で問題が起きやすい(後述)。


・院外SPD・・・棚卸資産の管理を外部業者が一括管理する。在庫の所有権は法人が使用するまでは外部業者にあり、法人所有の棚卸資産は少額となることから、棚卸資産の管理面で問題が起こることは少ない(外部業者に管理を任せるため、院外SPDのコストは院内SPDより高い)。

・院内SPD・・・棚卸資産の管理を法人が行うため、管理面で問題が起きやすい(自社で棚卸資産を管理することから、メリットもある)。


【棚卸資産の管理をシステムで行っていない場合】

棚卸資産の管理にシステムを使用していない場合、以下のような課題が考えられる。

①在庫切れを起こすリスクが高まる。

②日々の在庫管理が不十分であることから、紛失・過剰使用・横領等に目が行きにくい。

③期末棚卸の妥当性を検証しづらい(誤りがあっても気づきにくい)。


【院内SPDにより管理している場合】

院内SPDにより棚卸資産管理を行っている場合、以下のような課題が考えられる。

①実際にある在庫とシステム在庫に差異が出る。

⇒SPDシステムを入れているからと言って、棚卸資産の管理が適切に行われているとは限らず、期末の棚卸時に実地棚卸とシステム在庫に差異が発生するケースが考えられる(多額な差異になるケースもある。)。

②SPDシールを台紙に貼るタイミングに主観が入る。

⇒部署や人によって運用方法が異なり、棚卸資産計上額に恣意性が入ることから望ましくない。


医療法人・社会医療法人によっては、積極的に棚卸資産管理の改善をしている法人もあるが、医療現場の意見が優先され、なかなか改善が難しい場合もあると認識している。

そういう時こそ、我々外部の専門家(会計監査人)を利用し、一緒に改善に向けて歩み始めてはいかがでしょうか。

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